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社会の出来事を「なぜ?だから何なの?」の視点で探ります

メーカーのカタログ値って信用している人いるの?

社会

いま話題の三菱自動車ですが ↓

三菱自動車「本社から不正指示」報告書で発覚 | 日テレNEWS24 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

そもそも、カタログ値って信用している人がどのくらいるのか疑問です。

例えば

  • パソコンのバッテリー継続利用時間と実働時間
  • スマートフォンのバッテリー持ち時間と実測値
  • 光回線のベストエフォート速度と実測値
  • スマートフォンの各キャリアの通信速度と実測値
  • ダイエット食品のカタログの効果と実効性
  • 特定健康食品のカタログの効果と実効性
  • 政治家のマニフェストと結果
  • 勤務先の求人広告と実際の雇用条件

これらを図にすると、「カタログ値」と「実測値」になります。

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私はカタログ値はあくまで参考にする程度で、実際のユーザーの感想を価格ドットコムとかで調べればおおよそ実測値の参考になります。

 

カタログ値と実測値が違っても問題にならない例(1)

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光回線のベストエフォート値は、少しインターネット回線に詳しい人なら、カタログ値と違っていてもあまりクレームを出さない代表的な例です。

カタログ値と実測値が違っても問題にならない例(2)

 

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スマートフォンのバッテリーの持ちについても、500時間連続待受可能とカタログに書いていても信じる人はいません。大体1日ぐらいとか、持って2日とか。メーカーに問い合わせてクレームを付ける人は少ないでしょう。

記事の見出しと内容が違っても問題にならない例(3)

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スポーツ新聞の「東京スポーツ」は 1面で面白い見出しを書くことで有名ですが、それを怒る読者はいません。みんな「そういうものだ」と納得しています。面白いネタは娯楽のうちですから、東スポに正確性とか突っ込むのは野暮です。

 

カタログ値と実測値が違って問題になった例(1)

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三菱自動車の燃費数値がカタログ値よりも15%悪いことが問題になりました。三菱自動車はそれを白としましたが、協業関係の日産が黒として公表し問題が発覚。マスメディアは大きく取り上げています。三菱自動車の販売する問題の車種は売れなくなりました。

 

カタログ値と実測値が違って問題になる例(2)

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これは誤差が許されない代表的な例です。電車の出発時刻は1分でも遅れると車掌がお詫びのアナウンスを流してくれます。10分でも遅れるなら、乗客は鉄道会社にクレームをつけるでしょう。遅延証明なるものまで発行される徹底ぶりです。

公約と結果が違って問題になる例(3)

 

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政治家が選挙の時にマニフェストを発表するのは当たり前になりましたが、これも実際どのくらい国民が信用しているか分かりません。日本では首相の在任期間は短命なことが殆どです。首相が新しい人に変わると、国民やマスコミはそのたびに期待してダメなら支持率が落ちて、他の人になることを繰り返しています。明治時代以前の元号と変わりませんね(縁起が悪いことが起きると、コロコロ変わるところが・・・)。

雇用条件と労働環境が違って問題になりはじめた例

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※求人広告はあくまで目安。の間違いでした。

近年、ブラック企業やブラックバイトなどがクローズアップされてきました。ハローワークや無料の求人誌などの会社の求人広告などは、雇用条件と実労働の差が問題になっています。また、労働条件が違法である場合労働基準監督署に通報することも、労働者に認知されてきています。

 

日本社会が誤差に対して容認しているものと容認していないもの

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右上の方にあるものは、社会的に誤差が容認されているものです。東スポの記事が正確でなくても怒り出す人はいません。インターネット回線が1ギガプランに入っていて100メガしか出ていなくても問題にする人は少ないです。

一方左下のほうでは、誤差が生じるとすぐに問題になります。

電車の遅延や停車位置がずれただけで新聞記事になります。日本人は出社時間を遅刻すると上司から注意され給与の査定に響きます。一方で、退社時間の遅れは出社時間ほど厳しくありません。

右上から左下に来たものは、「生産地の偽装問題」や、「バライティー番組の演出(やらせ問題)」です。「個人情報流出問題」もこのパターンです。

産業面ではこの流れは歓迎されます。消費者が正しい情報によって購入したり、無用なセールスを受ける必要がないからです。

一方で、数値化出来ないものの中に「バライティー番組の演出」があります。文化面でこの規制が進むと、表現の自由度が少なくなり、息苦しい社会に進んでしまう危険性があります。最近テレビで「この場所での撮影は許可を取っています」というテロップが増えたのは、一部の神経質な視聴者からのクレームが多くなったからです。娯楽番組やバライティー番組は、もともと楽しんでもらうためなので、倫理的にとか道徳的にどうなのという批判は野暮だと私は思うのですが。

適正な表示は社会の進歩 

今回の三菱自動車の燃費偽装問題は、協業関係にあった日産自動車から三菱自動車に指摘があったからでした。日産自動車によって自浄作用が働いたケースといえます。三菱自動車は市場から淘汰されてしまうかもしれませんが当然の結果といえます。

過去にも同じようなケースがありました。2001年には食品偽装問題がクローズアップされ、雪印食品は市場から消えました。2007年以降は、老舗企業の赤福や船場吉兆が市場から淘汰されました。北海道の食肉加工工場のミートホープも従業員の告発によって問題が発覚し倒産しました。それ以降食品業界では、食品偽装は「してはいけないこと」という流れができました。

海外では、アメリカのエンロンという巨大企業が不正会計で倒産しました。エンロンはエネルギー関連企業で売上高1010億ドル(日本円で11兆円)でした。同じ規模の売上高の日本企業は、NTTグループや日産自動車がそれにあたりますので、影響は世界的に大きいものとなりました。

日本では粉飾決算をした東芝が、利益を1518億円水増しして、純損失で4832億円を計上しました。アメリカの投資家から訴訟を起こされています。発覚したのは東芝社員の内部告発でした。東芝では1万人以上がリストラされることになりました。

東芝、純損失4832億円=赤字最大、不正会計問題響く-16年3月期:時事ドットコム

誤差が生じていて問題になるものの違いな何なのか?

三菱自動車の問題は、日産自動車の指摘があって初めて問題化しました。しかし、社会的に誤差が認められているものもあります。スマートフォンのバッテリー持ちやインターネット回線のベストエフォート値など広告と実態が乖離していますし、長時間労働、残業代の未払いなどの労働問題などは、誤差があっても容認されています。最高裁判決で違憲状態の一票の格差も、実質は容認されています。これらを社会的に是正していく機運が高まれば「社会問題化」し、多く人が問題意識を持つことになるでしょう。

  

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最後までお読み頂きありがとうございます!

次回は、社会問題がどのような流れで発生し、問題が解決して国民に定着したのか考えます。

 お楽しみに!