久々に、TVでドラえもんを見たら、のび太くんの様子がADHD(注意欠陥多動性障害)の症状とぴったりすぎて、
早くドラえもんのポケットから治療薬のストラテラを出してもらって、飲んだほうがいいよねと思ってしまいました。
授業中に居眠りをして、遅刻をしたり、宿題を忘れたり、テストで0点をとってしまうのび太くん。
のび太くんの一連の行動は典型的なADHD(注意欠陥多動性障害)の症状です。
世の中にADHDの理解を深めるには、「のび太くん」や「ジャイアン」を、直接利用するのが分かりやすい。
のび太くんのママは遅刻やテストの0点を叱ってはいけない
小学校に毎日遅刻したり、テストで0点ばかりというのは、アニメ的に分かりやすいですが、現実なら発達障害や学習障害が疑われます。
漫画の中でも出てきますが、のび太くんは、
- 毎日遅刻する
- 授業中に居眠り
- 運動が苦手
- テストで0点
その結果
- 学校で先生に叱られ
- クラスメイトにいじめられて
- 両親に叱られて
のび太くんは「もうみんないなくなってしまえばいいんだ!」と自暴自棄になります。
独裁者スイッチ=周囲の人間関係から孤立
実際、漫画の中でドラえもんから「独裁者スイッチ」というひみつ道具を出してもらったのび太くんは、ジャイアンをひみつ道具の機能を使って消し去ってスッキリしました。
ジャイアンはいなくなりましたが、他の人からもバカにされたり、怒られたりしているうちに、のび太くんは次々に周囲の人たちを消していきます。
終いには世界中の人間を消した後、一人ぼっちになったのび太くんは、
「自分はなんてことをしてしまったんだ」と気がつき、ドラえもんが戻ってきて、消した人たちをリセットして戻してくれる話しです。
現実では人を消し去ることができない代わりに、
- 人間関係をリセット(転校、転居)したり、
- 周囲の人間とかかわらず引きこもったり、
しながら、結果、
- 年齢を重ねて後悔するパターンと似ています。
こんな状況でも、のび太くんが不登校にならず、毎日学校に通っていられるのは、『ドラえもん』という良き相談者がいるからです。日々サポートされながらだったら、多少問題があっても、生活できています。
もし、のび太くんが大人になったら
彼が大人になったら、
- 毎日会社を遅刻し
- 職場で居眠りして
- 些細なミスが多く
- 営業成績が最下位
その結果
- 毎日上司に怒られて
- 職場の同僚に白い目で見られ相談相手もなく
- リストラ候補 or リストラされて非正規雇用になる
大人になったのび太くんは、人生の難易度が高すぎる、「無理ゲー」の人生を歩むことになりました。当然ドラえもんのようなサポートしてくれる相手がいなければ、更に状況は悪化します。
二次障害の発症と生活困窮
以前にも記事にしましたが、ADHDで1番厄介なのは、二次障害のうつ病になることです。
- うつ病になる
↓ - 休職
↓ - 失業(生活困窮)
↓ - 引きこもり or ニート
こんな状況下になってしまうと、将来に絶望して、大人になったのび太くんは、
「もうみんないなくなってしまえばいいんだ!」と自暴自棄になってしまいます。
ごく稀ですが、殺人や傷害事件を起こす可能性があります。
ADHDとPDDと少年非行
東京大学医学部客員教授 京都ノートルダム女子大学教授である藤川洋子氏は、
少年非行と発達障害というプレゼンの中で、広汎性発達障害の殺人事件とのケーススタディーや、ADHDと非行との関係について示しています。
注目すべき点は、
ADHD(注意欠陥多動性障害)やPDD(広汎性発達障害)の人は健常者と比較して、
社会的に問題を起こしやすいという事実です。
出典:藤川洋子「少年非行と発達障害 」
http://www.niye.go.jp/kikaku_houkoku/upload/project/268/268_23.pdf
東京家庭裁判所に送致された14歳~19歳のうち、
862人中49人(5.6%)がADHD。24人(2.7%)がPDDがあることが調査の結果分かりました。
対象年齢に若干の差異があることに注意が必要ですが、ADHDやPDDを持つ未成年者は、そうでない人に比べて社会的に適応できず犯罪行為を起こしやすいことを示唆しています。
これは、「もうみんないなくなってしまえばいいんだ!」というのび太くんのように、自暴自棄になりやすい社会的背景を理解する必要があります。
大人になったのび太くんがするべきこと
- 心療内科に行く(セカンドオピニオンも含めて)
- ADHDの治療薬(ストラテラなど)を処方してもらう
- 市区町村役所に行き、障害者自立支援法の「自立支援医療費(精神通院)支給認定書を交付してもらう→通院費、薬代が1割負担で受けられる
- ADHDの治療薬を服用する→症状が改善
- 初診から半年後、精神障害者福祉手帳を申請する→経済的負担を軽減
このような、社会保障を上手に活用しつつ、就職活動をして自立をしていくことが大切です。
ノーマルな状態で健常者と戦ったところで勝ち目はありません。
ノーマルな状態だと、ゲーム難易度が絶対にクリア出来ない「無理ゲー」の設定になっています。
この設定では、誰もがゲーム(人生)を放棄してしまいかねません。また、二次障害(うつ病)の発症によって、反社会的行為や自殺、引きこもりの原因になります。
セーフティーネットとして生活保護を申請するのは全然ありですが、社会保障費の給付額は将来的に減額されるのは確実な見込みですので、それだけにアテにするのは大変危険です。
「自分を受け入れてくれる職場」を探すと同時に「自分で稼ぐ術」を身につける必要があります。
私を含めて知能に問題のない発達障害の人が、人生を生き抜くためには、
- 自分で調べたり
- 専門機関に相談して
- 条件の良い職場を探し
- 自分で稼ぐ術を身につける
ことを、「自分のアタマ」で考えて人生ゲームを進めていかなければなりません。
難易度の高いゲームにチャレンジする事で、「無理ゲー」が「ちょっと難易度の高いゲーム」になります。
人生ゲームのプレイヤーは自分自身です。困難な壁を超えてレベルアップしていけば、普通の人と違ったスリリングかつ、エキサイティングな人生を歩めるでしょう。
最後までお読み頂きありがとうございます!
次回もお楽しみに!
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