ピコシムのブログ

社会の出来事を「なぜ?だから何なの?」の視点で探ります

なぜいじめ認知件数は都道府県によって大きな差があるのか?

こんにちは、ピコシムです。

中学生が電車に飛び込み自殺しましたという報道が続いています。

青森県では、今年8月以降だけで、中学生の自殺が2件報道されています。被害者が自殺に追い込まれる最悪の事態に至ったことは、残念でなりません。

 

中学生は、精神的には子どもですが、見かけは大人と同じです。

13歳、14歳、15歳の3年間で、子どもから大人へ成長します。

一方で、学校内や教室内の人間関係が良好か、暴力や精神的嫌がらせを受けて、いじめられている最悪な環境かによって、その後の人生を大きく左右します。

学生時代にイジメの被害に遭った人は、学力低下、不登校により、卒業後の人生を狂わされてしまうという研究結果があります(後述します)。

 

1000人当たりのいじめ認知件数

都道府県別にいじめの発生件数を表にしてみました。

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平成17年度(2005年)までは全国的にいじめの報告件数が少なかったことが分かります。

当時いじめは1000人に0.1人~3.9人しか報告されていませんでした。学校や教育委員会レベルで隠蔽してましたってことだよね?

先生方や教育委員会を責めても何も解決になりませんが、社会の教育システムがいじめを黙殺していたと分かります。

ところが、H18年度(2006年)に文科省から各学校に通知が来て変化が起きました。

「いじめの問題への取組の徹底について」ちゃんと報告しましょうね!ときたら、一気に増加。実情を正しく報告してくださいということになりました。

ただし、都道府県ごとにバラつきが大きいです。

今回の青森県は、いじめ自殺でクローズアップされた年ですので、いじめ認知件数が大幅に増加するのではないでしょうか。

教室に監視カメラを取り付けたら?

いじめの70%は教室内で起きています。

教師がいない子どもだけの時間に良く発生します。

  • 朝自習の時間
  • 授業の休み時間
  • 放課後などです

学校の中、教室、廊下、階段、校庭、体育館など全てに、監視カメラとマイクを取り付けて、子ども達がいじめをしていないか監視しましょう。

 

実際、イギリスでは学校に監視カメラが取り付けられています。

「(トイレや更衣室の)個室スペースに(カメラが)設置されていないのは皆、理解しているはず。カメラがあるのは共用空間で、そこは実際、いじめや問題行動が多発している場所だ。教師がいない可能性の高い場所でもある。保護者たちはおそらく(防犯カメラ設置に)非常に満足しているだろう」(フリーガード氏) (c)AFP

学校内に防犯カメラ4万7000台、生徒のプライバシーに懸念 英国 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

一方、日本では学校内や教室に監視カメラは取り付けられていません。

生徒のプライバシーを守るという名目で、教員の「監視」「管理」されたくないという背景もあるようです。プライバシーより、生徒の身体的、精神的な安全を守り、生徒の生命を守るほうが優先度が高い課題です。

警察ですら、取調室の可視化が問題になっています。

現代社会は、コンビニやスーパーの店舗、公園、道路、職場、職場の休憩室、駅、電車、バス、タクシーから戦闘機まであらゆるところにカメラが付いています。

学校施設も社会の一部であるにもかかわらず、密室であり続ける理由はあるのでしょうか。

いじめた児童生徒といじめられた生徒を隔離する仕組みの欠如

日本の学校には、いじめた生徒と、いじめられた生徒を隔離する仕組みがありません。いじめは、生徒同士のトラブルですが、一方的に攻撃を加えられた方はたまったものじゃありません。

犯罪を犯したら、警察に逮捕される。拘置所に入れられます。

未知のウイルスに侵された患者は、特別な病棟に隔離されます。

コンピュータウイルスは、セキュリティーソフトによって駆除、隔離されます。

一方、いじめた生徒は野放しにされています。

結果、いじめられた生徒は、肉体的、精神的にダメージを受け続け、不登校や自殺に追い込まれます。運よく生き残っても、いじめがトラウマになり、その後、非正規社員、職業、年収の面で非常にマイナスになるという研究結果があります。

イギリスのキングスカレッジの調査では、約7000人を追跡調査しました。

子ども時代にいじめを受けていた人は、いじめを受けなかった人よりうつ病や不安障害になる確率が高く、50歳時点で身体的/精神的健康状態および認知機能が悪い傾向がありました。

また、失業している、あるいは収入や教育レベルが低い、生活満足度が低い確率も高かったです。

子どもの頃のいじめが大人になっても影響 - ヘルスキュア 医療ニュースと健康・病院情報サイト

教室内は究極の村社会

日本の学校は村社会です。学校期間中は外部の学校の生徒とは隔離されています。

いじめが発生する背景として、固定化された人間関係があります。学校内のいじめは、部外者からの指摘を受けることはほとんどありません。

仮に正義感のある生徒が、いじめている生徒を注意したり、先生に報告してたとしても、教室内に生徒や先生の流動性がゼロで、人間関係が固定化されているため、自分がいじめられるリスクをはらんでいます。

結果、一般社会では犯罪行為の暴力、傷害(精神的なものを含む)、窃盗など、学校内では全て学校の中で処罰されます。校内は一般社会と隔離された治外法権そのものです。

「北斗の拳」の荒廃した街並みにいる、腕力の強いもの、群れて弱いものを集団で攻撃する。それがいじめが蔓延する学校を作りだします。 

文科省は、『もし重大事態が発生したら』ではちゃんと報告してくださいと定めていますが

文部科学省が定める重大事態によると、

一 いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。
二 いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。

別添3 いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号):文部科学省

「いじめ防止対策推進法(概要)」で、もし重大事態が発生した場合は、

1 学校の設置者又はその設置する学校は、重大事態に対処し、及び同種の事態の発生の防止に資するため、速やかに、適切な方法により事実関係を明確にするための調査を行うものとすること。
2 学校の設置者又はその設置する学校は、1の調査を行ったときは、当該調査に係るいじめを受けた児童生徒及びその保護者に対し、必要な情報を適切に提供するものとすること。
3 地方公共団体の長等(※)に対する重大事態が発生した旨の報告、地方公共団体の長等による1の調査の再調査、再調査の結果を踏まえて措置を講ずること等について定めること。

別添1 いじめ防止対策推進法(概要):文部科学省

重大事態が発生したら、大変ですが現実に発生しました。

学級担任、学年主任、生活指導教員、教頭、校長、教育委員会、市長もしくは県知事を巻き込んで、1件のいじめ問題に労力と時間を割くことになります。

文部科学省や教育委員会等、多方面に膨大な報告書を提出しなければなりません。通常の授業、授業準備、定期試験作成、試験採点、生徒の評価、教育指導案作成、その他雑務、部活指導があるにも関わらずです。

教員の評価にも関わるため、学校や教育委員会は、いじめは無かった事にする方にインセンティブが働きます。それが隠蔽です。

 

過去に隠蔽が疑われた例として、

「(美桜子さんは)うちの生徒ではなくなっているし、(加害)生徒たちはいじめではないと証言していますから、謝罪と言われてもね。いじめというよりいたずらです。(一審)判決が(いじめを)認め敗訴しても私たちとしては(いじめは)なかったとしか言えない」

子供たちの「遺書」名古屋市高2女子飛び降り自殺「もうつかれたの。最後のわがままきいてね」(フライデー) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)

最初から利害関係のない、他都道府県の第三者を審議委員にしたら?

例えば、航空機事故が起きた場合は、国土交通省から専門の調査官が送られます。全く関係の無い第3者によって報告書が作成されます。

国土交通省運輸安全委員会(航空・鉄道・船舶)に分かれていて、事故の度に派遣されます。

ですので、学校現場でも同様のシステムを取り入れてみては?

いじめは必ず発生します。

文部科学省から「いじめ実態調査団」を作り、専門調査団を育成し、事件の度に派遣してみましょう。

学校や教育委員会など利害関係者以外の人間が、報告書を作成するよりも、客観性が高まります。

おわりに

なぜ日本の場合、子どものいじめは指導だけで、法的に処罰されないのか。

なぜ、学校内の違法行為は警察に引き渡さず、学校内での指導になってしまうのか。

なぜ、被害者が自殺しても加害者が法的に処罰されないのか、多くの改善できるポイントがありそうです。

教室内に監視カメラをつけて、いじめの早期発見をすることは、いじめられている生徒を守るために必要な措置といえそうです。

 

 

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最後までお読み頂きありがとうございます!

次回もお楽しみに!

 

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