ピコシムのブログ

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ピコシムのブログ

社会の出来事を「なぜ?だから何なの?」の視点で探ります

ある人の想像力の限界

社会

f:id:picsim:20170216064504p:plain

 

ある人は言った

『本当に6人に1人の子どもが貧困なの? 信じられない!』

その人は裕福な家庭の人だ

 

ある人は言った

『もう疲れた、働いても金は支払いに消えるし、ゆっくり休みたい』

その人は親の借金を返済していて、仕事の休みがなく大変そうだった

 

 まだ若かった女性が過労死した事件があった

ある人は言った

『なぜ、自殺する前に周りに相談して仕事を辞めなかったんだ!』

 

しばらくして、将来有望な女優が、健康を理由に突然仕事を辞めた

ある人は言った

『なぜ、もっと仕事を頑張らなかったんだ、途中で辞めるなんて無責任な人だ!』

そう言ったのは、同じ人だった

 

ある人は言った

『子どもが多すぎて待機児童がいるって信じられない!』

その人の地域の保育園は少子化で閉園になった

 

ある人は言った

『待機児童ゼロだから絶対に保育園入れると思っていたのに、信じられない!』

その人は子どもを預けられず失業した

 

 ある人は言った

『学級崩壊してる学校なんてドラマの中だけですよね?』

その人は、進学校を卒業して今は大学院に在籍している

 

 ある人は言った

『大学受験をする人たちって本当にいるの?』

その人は、ヤンキーだったが高校卒業後から働いている

 

ある人は言った

『海外に一度も行ったことない人っているの? そんな人に会ったことがない』

その人は大都市に住んでいて、一緒にバカンスに行く友人がいる

 

ある人は言った

『パスポートなんか持ってる人なんているの?そんなヤツ知り合いにいないし』

その人とその友人は、一度も地方から出たことがない

 

ある人は言った

『職場で上司に意見をする人なんているの?ヤバくない?』

その人はパワハラやサービス残業が酷いとある量販店で働いている

 

ある人は言った

 『職場で自分の意見を言わない人なんているの?』

その人は外資系戦略系コンサルタントで働いている 

 

ある人は言った

『30歳までに結婚してる人なんて少ないよね』

その人は大都市に住んで深夜まで働いている

 

ある人は言った

『30歳までに子どもがいない人なんていないよね』

その人は地方に住んでいて友人たちも20代前半で結婚した

 

ある人は言った

『景気がよくて毎年給料が上がった。残業代で月50万も稼げたんだぞ』

その人はバブル期に入社した、下の世代に比べると給料は高い

 

ある人は言った

『入社から10年たってもあまり給料も変わらない』

 その人はバブル期に生まれて景気がいい時代を知らない

 

ある人は言った

『若者の車離れ、酒離れ、活字離れ、旅行離れ、セックス離れ、交際経験もない、結婚しない、子どもを産まない、これだから最近の若者は!』 

その人は、コスト削減に余念のない上場企業の経営者だった

 

ある人は言った

『給料は少ない、上がらない、毎日残業でクタクタになって深夜に帰って寝るだけ、なのに老害は何でも若者のせいにしやがって!』

その人は、正社員ならまだましで、契約社員や派遣社員だと人生設計自体が厳しい

将来に希望を持つことができない

 

ある人は言った

『不法移民なんて全部追い出せ!』
その国は、1,000万人以上の不法移民がいる

 

ある人は言った

『あの国はなんて移民に不寛容な国だ!ひどい話だ!』
その国では、年に数人だけしか移民や難民を受け入れていない

 

ある人は言った

『移民を入れるのは無理!平等に貧しくなりましょう』

その人はすでに豊かで年金を貰える世代だ

 

ある人は言った

『今ですら厳しい生活なのに、これ以上貧しくするのか、ふざけんな!』

その人は若く薄給で、年金を貰えるかは誰にも分からない

  

金持ちと貧乏

エリートと凡人

都市と地方

年寄りと若者

上司と部下

多民族国家と単一民族が大多数の国家

保守とリベラル

 

『ある人』が『その人』と同じ体験をして、同じ感情になることは難しい

ある人の想像力には限界があるため、互いに共感しあうことは困難極まりない

 

持たざる人は疲弊していき社会は荒む、

人々は社会に不満を持ち、多様性は許容されず、内に閉じこもる

生活が貧しく、心に余裕が無くなれば、人はいがみ合い、攻撃的になり、

憎しみが増し、犯罪が多発し戦争やテロが起きる

 

力で排除することは、された側は忘れない、遺恨を残す

  

 

『位 高ければ 徳高きを要す』

 

貴族の義務 −ノブレス・オブリージュ−の言葉にあるように、

学歴や教養を持ち、社会制度や、ルールを作る人、組織を管理する人たちは、

その知性とリソース(資源)を、持たざる人に正しく分ける義務を負っている

 

想像の外で起きている出来事に耳を澄ませて、

平和と安寧のうちに人々が暮らせますように

 

 

ある人たちの中の、ある人より

 

 

id:picsim

最後までお読み頂きありがとうございます!

次回もお楽しみに!

 

新しくアカウントを作成しました。followをお願いします!