ピコシムのブログ

社会の出来事を「なぜ?だから何なの?」の視点で探ります

2016年のMVNO普及率は 2010年東京のスマホ普及率と同位

16年5月20日の日本経済新聞にこんな記事が。

NTTドコモの財政は健全化しつつある。4月28日に発表した16年3月期連結決算では、営業利益が前の期比23%増の7830億円となり大幅増益を記録した。スマホ比率向上に伴う通信サービス収入の増収効果が大きいものの、月々サポートの負担増が774億円に縮小した影響も無視できない。しかも17年3月期は影響額がさらに小さくなる見通しだ。

「財政健全化」進めるNTTドコモ :日本経済新聞

 

スマホの料金が家計の負担になっているから、政治主導で通信料金を下げる話は何処にいったのでしょうか?

現時点では、

  • 一括0円、実質 0円の廃止、MNPキャッシュバック廃止で値上げ(完了)
  • 月々の料金を値下げ(未完了)

になってしまった感が歪めません。

今後のフレームワークとして、長期利用者の値下げが6月1日から始まります。しかし、事業者にとっては、値下げ幅は微々たるものです。

 

結局誰がお得になったの?

今回恩恵を受けた層

  • 大手キャリア(ドコモ、ソフトバンク、au)
  • 一部の大手キャリアユーザー(長期利用者で光回線等セット契約者)

今回恩恵を受けられなかった層

  • 大手キャリアでMNP・機種変更するユーザー:高い機種代と新料金プランで負担増

  • 販売代理店(ショップ):顧客が来なくなり売上減
  • スマホメーカー:機種変更する客が減って売上減

特に影響を受けていない層

  • SIMフリーに乗り換えたユーザー:、毎月安い料金を支払っている
  • 旧プランのガラケーのライトユーザー:請求金額は特に変わりない

イノベーター理論に見る現在のスマホの立ち位置

イノベーター理論では、50%を超えるとレイト・マジョリティーになります。

いまから大手キャリアでスマートフォンを持つ人たちは、レイト・マジョリティーとして市場の成熟に貢献しています。そして、大手キャリアで機種変更した人と同様に、高い通信費を支払います。

スマートフォンの普及率

2015年の東京でのサンプル調査では69.2%

2014年の全国普及率は64.2%

 

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出典:Rogers Everett wikipedia Commonsに加筆 
東京普及率データ:博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所
全国普及データ:総務省|平成27年版 情報通信白書|インターネットの普及状況

MVNO普及データ:SKEG*log MMD研研究所調べ

2016年のMVNO普及率は 2010年東京のスマホ普及率と同位

イノベーター理論でいうところの、2010年東京のスマホ普及率は、2016年のMVNO普及率と重なります。

皆さん思い出して下さい、2010年といえばiphone4がソフトバンクから発売された年でした。iphone3GSに続いた新モデルで、当時はiphone4で電話していると道行く人にも振り返られるほど珍しいものでしたし、一種のステータスだったり、少し未来を生きている人たちでした。iphoneはソフトバンクでしか契約できなかった時代です。

2010年当時は、まだ80%以上がガラケーを使っていました。

もし、スマホと同じようにMVNOが普及したら、2018年に50%の普及率になるかもしれません。

そうなると、従来の一次代理店だったキャリアショップの半数近くは閉店になるか、業態転換して違うビジネスをしている未来が待ち受けています。

大手キャリアは通信インフラを貸し出す「土管屋」と、生活サービス業態を拡大して存続していくことになります。(今の鉄道各社のように)

今後キャリアショップで働く人、機種変更を選ぶ人たちには過酷な未来

今度ドコモショップやauショップ、ソフトバンクショップで機種変更する人たちは、レイトマジョリティーの人たちです。料金プランが良くわかっていないけど、みんなが持っているから契約します!という人たちです(はてな読者の方々は理解している方が大半だと思いますが)

キャリアは契約数減少に伴う営業収入の減少によって、より複雑で分かりにくい料金プランに変更されて、CMでは「お得!」を強調して顧客に刷り込ませ、割引内容はさらに条件の厳しい限定されたものになるでしょう。

 

しかも、割引内容はパンフレットに最大割引金額◯万円!とだけ書いて、「詳しくはスタッフまで」と記載して、カウンターでしか詳細を教えてもらえなくなります。今後一層契約内容や割引条件のブラックボックス化が進みます

 

契約内容の条件や割引内容の条件を小さい文字で表示するのはもちろんで、スタッフが口頭や書面で重要な説明したとしても顧客は見落としたり覚えてないかもしれません。

 

なぜなら、アーリーアダプターやアーリーマジョリティ-の人よりも

「契約内容を熟知し詳しく突っ込んだ質問をする人」や

「料金にうるさい客」

は少ないので企業として当然の戦略です。 

 

レイトマジョリティ-の人たちは、ショップのカウンターで店員さんの言われるままにオススメされる高い料金プランに加入してくれるはずです。

また、初めて聞くような難解な契約内容を20分ぐらい説明されて、頭が疲れてボーっとしてきて考えることが面倒になった頃に、

「1か月は無料ですからオプション加入10個してください」

「機種変更の頭金5400円が無料になるので、タブレットを持ちかえって下さい(月々使用料は別で)」

「光回線の乗り換えがお得で、電気も、保険も、スカパーの契約も、クレジットカード加入も、携帯料金が割引になりますよ」などと優しく誘われて、沢山オプションや追加プランをつけて、必要のないサイドプランに加入させられるでしょう。

 

1ヶ月後、自分一人でオプションを解約する画面にたどり着けないかもしれませんし、解約し忘れでお店の利益になるのは間違いありません。

オススメされるままに9000円でmicroSD16Gを買わされちゃう人もいるくらいなので、相当に知識を入れて自己防衛を図りつつ、知識のある人と同伴で買いに行かないと危ないでしょう。

 

そういうことを踏まえて、今から格安SIM選びをするのは良い選択といえるでしょう。

 

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次回もお楽しみに!

 

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