こんにちは、ピコシムです。
フィンランドではいよいよベーシックインカムが試験導入されました。
これによって、対象者には一律日本円で6万8000円が支給されます。
ベーシックインカムが支給されると、お金が毎月振り込まれます。当然、働かなくても生きていけるようになります。
働かなくてもいいってメチャクチャいい世界ですね!
働く自由、働かない自由が選択できる世界へ
人類史上、初めて労働者層が働かなくても生きていける世界になります。
もうこれで、生活保護受給者はずるい!不正受給許さない!ということもなくなります。だって、全員にベーシックインカムが支給されるからです。
- 稼ぎたい人はもっと稼げばいいし
- 稼ぎたくない人は稼がなくてもいい(最低限の生活保障があります)
私は、好きなときに働けて、好きなときに休めて、いいんじゃないのと思います。
職人っぽい働き方
昔、不動産屋で物件の管理をしていたときに、出入りをしていた壁紙を貼るクロス職人の人が言っていたのは、
仕事を取るか取らないかは自分で選べるから、最近休みすぎて、そろそろヤバイな!って思ったらメチャクチャ働くし、そろそろ疲れたから休みを入れておきたいときは、仕事をとらないで、ゆっくり休める。
自分で仕事を取りに行っているから、働かされているのではなく、自ら働いているから楽だと。
経営者は解雇しやすい
ベーシックインカムが導入されれば、経営者は、全然生産性のない社員を解雇しやすくなります。超効率的じゃないですか。
いままでは、解雇するには会社経営が傾いて、最後の最後に人を解雇することが認められていましたが、ベーシックインカムがあれば、最低限の生活保障はされているので、別に問題がありません。
解雇された人たちの2つのタイプ
私は、会社を解雇された人たちには2つのタイプがあります。
- まぁいいか、次の会社探そう!
- 俺ってなんてダメなな人間なんだろう・・・
タイプ1 楽観者 まぁいいか、次の会社探そう
この人達は次々に乗り換えていく人です。
会社の方針が合わなかったし、給与も高く無かった、社長や上司とそりが合わなかった。だから、別のところ探そうとすぐに乗り換える人です。ベーシックインカムがなかったときは、一つの仕事が長く続かない人で、ダメな人と日本では言われていました。
でも、ベーシックインカムが始まったら一番強いタイプです。ゴキブリのように生命力が強い(失礼)。
タイプ2 悲観的 俺ってなんてダメな人間なんだろう
会社から「君はいらないよ、明日から来なくていい!」と言われたらメチャクチャ傷つきます。
だって、今まで愛想よく、上司の無理な要求にも一生懸命応え、毎日働いていていたのに!と落ち込むタイプ。
私は両方経験していますが、悲観的なタイプ2の人の気持ちは痛いほどわかります。
自分には価値がない、自分なんか居なくてもいい、という無価値感から生きているのが辛くなります。
自分は他者から必要とされていないと自覚することは、かなり苦痛です。
人生に希望を持てない人たち
悲観的なタイプ2の人は、家にずーっといても大丈夫です。
引きこもりっぽくなりますが、ベーシックインカムがあるから生きることはできます。
が、しかし、毎日テレビをみて、ネットをして、寝て起きて、たまに外出しての繰り返しは正直きつそうです。うつ状態になりそうです。
でも、大丈夫です。ベーシックインカムで貰ったお金で抗うつ薬を処方してもらいます。
ところが、抗うつ剤は健康保険がないので、10割負担です。
生活が前よりも厳しくなりますが、生きていることはできます。
一応生きていけるけど、楽しくない。俺なんで生きてるんだろう?ってなりそうです。
人間でいちばん大切なことは、未来に希望をもって生きることです。その希望がなくなったとき、人生を完了させようと人は考えます。
生きる権利と、自分の意思で人生を完了させる権利
私の想像ですが、
ベーシックインカムが導入されたら、死を選択できる権利がないことに気がつく人が多くなりそうです。
生きる権利については、現在の日本で憲法で保証されています。
一方、安楽死・尊厳死については日本ではまだ法制度化されていません。
しかし、オランダでは、高齢者を対象にした「自分の意志で人生を完了させる権利」が2017年末までに法案が提出される見込みになりました。
産経新聞では、そのオランダの安楽死について記載されています。
高齢者の9割以上が夫婦か一人で暮らすオランダでは普通のことだ。
年とともに歩行が衰え、物忘れが進むと、「一日中、自室でぼんやりしながら、他人に介護してもらうだけの日々に耐えられない。死にたい」と訴えるようになった。病気ではなかったので、医師は当然ながら安楽死を拒否した。
【三井美奈の国際情報ファイル】老人に安楽死権を 福祉大国オランダが目指す危うい道 欧州に「姥捨て」が復活する日(4/6ページ) - 産経ニュース
海外では、終末期医療などでで、アメリカのカリフォルニアなどの一部の州、スイス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、カナダで法制度化されています。
オランダでは2015年に5516人が安楽死をしました。
オランダの人口は1650万人ですので、0.03%が安楽死を選びました。
日本では、2015年に人口の0.01%が自殺しています。
2003年のピーク時には、人口の0.027%が自殺しました。
結果論ですが、もし安楽死が選択できれば、それに巻き込まれる人たちも減らせたんじゃないですかね。
人生を完了させる権利
本人が死ぬことを希望した場合、だいたい悲惨な結末を迎えます。
自殺をすることは、倫理的に認められていません。
しかし、日本では、2015年 24,025人が自殺により亡くなりました。
生きる権利が保証されていながら、死を選択することは社会的に許されません。
死を選択できる権利がないので、周囲の人間を巻き込まずに死ぬことは本人ですらできないのです。
出典:厚生労働省 自殺の現状
そもそも、現在の日本では「死を選択する権利」を公に求めると、
死にたいやつは死ねと解釈されて『自殺教唆罪』、
海外では死ぬことは合法だ!と知恵を入れている時点で『自殺幇助罪』
にならないか心配です(法学者の学説が別れるところでしょう)
一方で、もしベーシックインカムが導入されたら、いまより死を選択できる権利について議論が盛り上がると私は考えています。
- 生きたくない人を無理に生かせておくのは憲法の幸福追求権に違反する
- 人生の継続を選ぶか、完了を自ら決めるかは本人に決定権をもたせるべきだ
- 生きたくない人が不用意に自殺したら、周囲の人が巻き込まれて危険なので、本人のみが安全に死ぬための設備を提供しよう(電車の人身事故、ビルからの飛び降り、有毒ガスからの被害から周囲の人間を守る)
- すでに、労働力は人工知能やロボットに変わってきているので、人間は必要ない
- 生きたくない人にベーシックインカムを払い続けるだけの財政的に余裕はない
他人に必要とされない人生って、かなり苦痛じゃないですか?
本人の選択によって自分の生命を継続するか、完了させるか決断できる世界は、オランダではすぐそばまで来ています。
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今後、アメリカ、ベルギー、スイス、ルクセンブルク、カナダでも、安楽死の対象者が拡大されるかもしれません。
日本でも、増え続ける社会保障費、実質破綻しそうな年金制度を前に、無理やり延命させる医療を継続するよりも、
本人や家族の意志による「人生を完了させる権利」を厚生労働省が検討しはじめるには、段階にきているかもしれません。
仮に、日本でもベーシックインカムが始まれば、健康な人でも人生を完了させる選択肢が政府からでるのは自然な流れといえるでしょう。
最後までお読み頂きありがとうございます!
次回もお楽しみに!
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