こんにちは、ピコシムです。
ストラテラを飲んでから8ヶ月が経ちました。
ストラテラは、ADHD(注意欠陥多動性障害)の症状を緩和する薬で、アトモキセチンという物質で作られていています。
脳内物質のノルアドレナリンを再び脳に戻さないようにするための薬(再取り込み阻害剤)です。ADHDの人の場合、ノルアドレナリンが脳内で正常に分泌されない問題を解決する働きがある薬がストラテラです。
ノルアドレナリンは、正常に分泌されると『やる気』や『集中力』の源です。少なすぎると、『うつ』になったり、『ぼーっとする』など問題があります。
では、多過ぎると、『攻撃性』、『躁状態』が問題になります。いわゆるハイテンションな人になります。
薬を飲みはじめた当初は、常にハイテンションでしたが、徐々に落ち着きました。
覚醒!?ADHDでストラテラの初体験記録 - ピコシムのブログ
何が変わったか?初期の頃、3ヶ月目時点と今との比較
体の変化
体重が85kgから減少しました。
1週間目 83kg → 80kg 3kg減少
3ヶ月目 83kg → 75kg 8kg減少
8ヶ月目 83kg → 74kg 9kg減少
この5ヶ月でたった1kgしか減少していません。
これには理由があって、
- 体重の減少が激しいと、体力が持たない
- 食欲がなく何も食べないと、急な吐き気やめまいで倒れる
ですので、朝昼夜食欲が無くても、時間がくれば何か食べるようにしました。
結果的に体重の減少は食い止められました。ストラテラは食欲不振の副作用があります。私の場合、ストラテラを服用する前は、食べ過ぎだったので、結果的に適正体重になりました。
精神状態の変化
1週間目
- 脳内のノイズが減った
- 突然不安になってどうしようもなくなる状態が無くなった
- 人の話を落ち着いて聞き、話せるようになった
- 時間感覚が少し生まれた
3ヶ月目
- 寝起きが爽やかなことが多い
- 時間に余裕を持って外出するようになった
- 人の話しを落ち着いて聞けるようになった
- 悲観的な発言がなくなり楽観的になった
8ヶ月目
- たまに仕事に行きたくない、面倒だと思うようになった
- 多少悲観したり、危ない事に警戒するようになった
- 自分に不利になるような発言をしないようになった
- 仕事が溜まると混乱することが分かった
思考の変化
3ヶ月目
- 小さなことで悩まなくなった
- 何事にもプラス思考で何事にも楽観的になった
- 何も考えられなくなって、思考力が落ちた気がする
8ヶ月目
- 疲れているときは多少悲観的になり、体調が良い時は思考が楽観的になる傾向
- 家に居る時はやる気が起きないが、外にいる時はアイディアがわき出る
- 思考を深めるには薬を飲むだけでなく、常に考えて書き出すことが大事と気がつく
得られた知見
疲労が蓄積されている・水分が足りない時は、集中力・やる気が高まらない
ストラテラは、ADHDの人の脳内物質であるノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、やる気や集中力を高める役割があります。しかし、十分な睡眠、休息、休憩、水分補給が無ければ、ストラテラを服用しても集中力は高まりません。
- 夜は11時までに就寝して、7時間の睡眠時間を確保する。
- 残業は極力控えて、働きすぎない。
- 仕事の昼休憩は15分睡眠をすることで、午後のパフォーマンスが向上する。
- 水分補給はこまめにする
この辺りは、普通の人と変わりません。ストラテラを飲んで一時的に精神がハイテンションになっても、体には疲労が蓄積するので集中力は長続きしません。
休む時は休み、水分補給を忘れないことが、日中のパフォーマンスを高めるために必要です。
ミスは少なくなるが、急に仕事が出来るようになるわけじゃない
ストラテラによって集中力が高まった結果、不注意なケアレスミスは減少しました。しかし、それだけである日突然、急に仕事が出来るようになるわけではありません。
どうすれば仕事が効率的に終わるか常に考えて、トライアンドエラーを繰り返して、少しずつ良くなります。地味ですが自分に合ったやり方を見つけるのが近道です。
夜眠れないときでも目を瞑って横になる
ストラテラは覚醒作用がある一方で、夜は眠れなくなるという副作用があります。私はハイテンションのまま朝の4時ぐらいまで起きていて、次の日の朝眠いまま仕事に行って、パフォーマンスが上がらないまま一日が終わるということが、何回もありました。
眠れないときは、横になって目を瞑り眠れるまで横になるという方法をとっています。
間違っても、パソコンを開いたり、テレビを見たりしてはいけません。
あまりにひどい場合は、医師からは睡眠薬の処方を勧められますので、相談してみては。
当初みられた多幸感は全くなくなる
毎日多幸感だったら幸せですが、当然そんなことはありません。
仕事で結果が出ないときは、帰りの電車で「俺って何してんだろ・・・」と落ち込み、
結果が出た時は「今日はとても楽しかった!」と元気になるパターンの繰り返しでした。
これって、普通の人と変わらないのではないでしょうか。
常に多幸感を出し続けるには、覚せい剤(メタンフェタミン)で強制的にドーパミンを放出しないといけませんが、これは不可能です(逮捕されます)。
ノルアドレナリンとアドレナリンが関係しているかもしれません。
不安が全くなくなる状態から、多少の不安感が出てきた
ストラテラを飲みはじめて、3ヶ月ぐらいまでは每日が幸せに満ち溢れていました。
不安や悩みが全くなくなりました。薬の影響なのでしょうが、不安や悩みがないことが贅沢な悩みでした。
8ヶ月経って、多少の不安感が芽生え、危険を察知する能力が発達した気がします。
仕事での立ち振舞や、相手が不快に思わないように伝え方に気をつけるようになりました。
例えば、
職場で上司が明らかに間違った指示を出して、自分の仕事が増えそうな時
以前の私なら、
「この作業は●●ですから、仕事が増えるだけで、意味がないです」
とストレートに言って、上司のメンツを潰しまくって、上司を不機嫌にしていましたが、
今は、
「はい、分かりました。おっしゃる通りですね。これはすごくいいアイディアですね。やってみます!」
これで、一旦は受け入れてから、指示通りやってみて、しばらくしてから、
「上司さんから指示を受けた通りやってみましたが、△△はできましたが、■■の成果が出ませんでした。★★の部分を◎◎にすると効率が上がるかもしれません。」
と、自分の考えている事をそのまま伝えず、ワンクッション置いて伝えるようになりました。
これで、人間関係が非常に楽になりました。
まとめ
8ヶ月目になって、
- 楽観的から多少悲観や危ないことへの警戒感が出てきた。
- なるべく疲労を溜めない生活パターンを維持する
- 仕事で小さな結果を出して、良い気持ちになって良い循環を作る
- 多少の不安感は、危険を回避する為に必要じゃないかと思うようになる
発達障害で芸能人の栗原類さんが本を出版
最後に、偶然ラジオで芸能人の栗原類さんが、発達障害に関する本を出版したというニュースを聞いたので、その件について。
栗原類さんは、ADD(注意欠陥障害)を持っています。
彼は、アメリカの小学校に通っていた9歳のときに、学校の先生から何か障害があるかもしれないから病院で検査して下さいと両親に伝えたそうです。
(アメリカでは教師は児童に何か障害があると疑われる場合、両親に伝える義務があるそうです)
結果、栗原さんは、注意欠陥障害(ADD)に早い段階で気がつき、生活に工夫をしながら環境に適応していきました。
例えばライブが好きだった栗原さんは、耳栓をしてライブを聞いたそうです。普通の大きな音が聞こえすぎるという脳の機能の問題があったからです。
また、集中力は持って15分だったので、勉強など全然できなかったそうですが、自身の特性を早い段階で見極めて、芸能人になったそうです。
栗原さんは、普段は無表情なので、聞いているのか、楽しいのか他の人から見て全く理解できないので、母親から「言葉で感謝や感情を伝えること」と言われていたそうです。
私も、どちらかと言うと無表情な方で、何を考えてるか分からないとよく言われていたので、彼のようなタイプだったのかもしれません。
もし、自分の居場所がないと思う人は彼の本を読んでみてはどうでしょうか。
最後までお読み頂きありがとうございます!
次回もお楽しみに!
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