こんにちは、ピコシムです。
この前、出張先で四角いテーブルで8人ぐらいの会議をしました。
私は、会議のレーポートを作成することを頼まれていました。
重要な会議ですので聴き漏らしては大変です。
ところが、会話を全然聞き取れません。英語ではなく、全員日本語での会話です。
言葉は聞こえているのですが、内容が理解できないのです。
全然メモが取れません。
他の人たちは会話の要点をメモしているので、理解できているようです。
やばい、大ピンチ!
ヒミツ道具! ICレコーダーを取り出し会話を全て録音しました。
なぜADHDは会話を理解できないのか
原因
- ADHD(注意欠陥多動性障害)の脳のワーキングメモリ不足
パソコンに例えると、メモリ不足です。情報を処理する脳の作業領域が足りないので、フリーズしたり、処理の欠落が発生します。
スマホに例えると、音声認識機能のSiriの性能が著しく悪いiphoneといったところです。
ADHDの特徴を理解する
脳の一部が機能していないので、会話の聞き取りがうまくできません。
会議などで内容が覚えられず、耳より文字で読む方が理解できる。
会議での資料とは別に会議内容を記録する専用のメモを別に用意しましょう。
私の場合は完全に当てはまります。
特に、新しい話題で、新しい単語が出てくる時は理解力が壊滅的に低下します。
私の感覚では、経験値が増えると、会話に対する応答率が上がるので、受電業務が多いコールセンター業務などは、ほぼ問題なくできます。
で、どうすればいいの?
自分が何が苦手か理解する
シチュエーション
私の場合は、
- 4人以上いる会議やミーティングの会話
- 4人以上いるレセプションでの雑談
- 4人以上いるパーティーの雑談
- 4人以上いる居酒屋での雑談
私の場合、このパターンだと会話が頭に入っていきません。
症状
- ワードを拾えても文章として理解できない
- 要点が理解できないので、メモが取れない
ADHDの本人の場合の対策(社会人の場合)
- ICレコーダー、スマホのレコーダーで会話を記録する
- 他の人にメモを取ってもらう
- 文書を配布してもらう
- 会社にADHDだと伝える(相手の見極めが重要)
文書化されると初めて正確に内容を理解できます。
チャットやメールのような文字情報なら理解できます。(冗長すぎなければ)
経験によるパターン認識で、発達障害の人が苦手な『皮肉』が理解できるようになります。
→ですが、経験値が低いと言葉の表面上の意味しか理解できないので、皮肉などは理解できません。
ADHDの本人の場合(学生の場合)
- 学校側にADHDであることを伝える(本人の特性を理解してもらう)
- 授業の前の予習が重要(新しいワードが言語として理解できないため)
- 自分にあった勉強法を習得する
抽象的概念をイメージしたり、新しい用語を学習するため
→ ビデオ学習
→Youtubeの分かりやすい授業を何度見ても”無料”
→再生速度1.25倍速や、必要ないところを飛ばせる
→自分に合ったyoutube動画を選択できる
(説明が分かりにくい、声が嫌い、先生が合わないなど、ダメならすぐに違う動画にできる)
なぜ、この単元が必要なのか、社会とどうリンクしているのか知ることができる
結果、授業が分かるのでモチベーションが高まります。
会話を理解できないのは甘えという反論
残念がら、発達障害への不理解が世の中にまだまだ蔓延っているため、ADHDの人たちは周囲から、能力がない人ね!と言われることでしょう。
確かに、他の人達は同じ会話を聞いていて理解できているなら、なぜあなただけ出来ないの?ということになります。
本人のやる気や能力不足を疑われます。
会話が理解できないのは集中して聞いていないからでしょ!
かつての上司に、なんで、注意して聞かないんだ!と叱責を受けました。
もっと、気をつけなければと自分に言い聞かせるのですが、物理的に無理です。
例えるなら、
- 目の見えない人に、目が見えないのは集中力がないからだ!
- 耳の聞こえない人に、聞いていないのは聞こうと思っていないからだ!
と言っているようなものです。
ところが、世の中は発達障害に対して理解がありません。
更に困ったことに、本人がADHDに気がついていないと悲劇が起きます。
本人が発達障害を自覚・治療していなければクビor落第まで一直線
私は、発達障害の一つであるADHD(注意欠陥・多動性障害)ですが、そうだと気がつくまでは、人並みに会話の内容を理解する能力があるつもりでした。
しかし、会社では全然できていないので、当然上司から注意を受けます。
自分自身は注意しているつもりですが、会話を読み取る能力が欠如しているため、何度も同じように上司から注意を受けます。
以下、無限ループですが、
上司から、『お前はもう無理だ』と、判断された時点でレイオフされます。
大人になってから発達障害と診断される人たちは、このパターンで何度もクビにされます。
ミスをする→注意を受ける→ミスをする→(以下ループ)→
クビになる→落ち込む→うつ病になる→病院で診察されて発覚
学生の場合、もし日本がミッション制の高校や大学だったら、ADHDの人たちは落第しまくっているでしょう。
自分にない能力は機械(ICレコーダー)や他人を使う
話が冒頭に戻ります。
会議が終わってレポートを作ることになりました。イヤホンを耳にさして、ICレコーダーを再生して文字起こしをします。
面倒ですが、文書化するとやっと頭の中で理解できるようになります。
私は、オリンパスのICレコーダー(古いバージョン)を使っています。

OLYMPUS ICレコーダー VoiceTrek 4GB MicroSD対応 DM-720 シルバー DM-720 SLV
- 出版社/メーカー: オリンパス
- 発売日: 2016/01/22
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
録音音声は、会議、講義、商談、自分の声の録音など5種類から選択できます。
音声は鮮明に聞こえて、ノイズ低減機能もついて、
空調の雑音や、紙の擦れる音、ペンを置いたときの「ガタッ」とした音が低減されて、再生時のストレスが無くとても重宝しています。
単4電池1本で使えるので、万が一のバッテリー充電し忘れてもコンビニで電池を調達すれば大丈夫です。
MicroSD は32Gまでに対応していて、CD音質と同じ(128kbps)だと、530時間も録音できます(1回2時間の会議で265回分)
もちろん、スマホのアプリを利用することも出来ますが、
マイクの指向性や、電池の消耗、ボタン一つで5秒前にすぐに戻れる再生のしやすさはICレコーダーの方が使いやすいです。
今後、ICレコーダーに文字起こし機能が付けば最高ですが、いまのところ実用的なものはまだ出てきていません。
私の場合、ICレコーダーがないと、会議の内容を脳内で勝手に補完して、抜けた情報を想像で埋め合わせして文章を作って、大体間違っています。
その会議のレポートは無事に完成しました。
一緒に仕事をしている、外資系コンサルでパートナーを務めた経験のある人物からは、
私のレポートのクオリティー(会議のポイント、概要、成果の取りまとめ、完成までのスピートの早さ)が高いと評価をいただきました。
事前に何の情報が欲しいか確認していたので、無駄な時間をかけずに終わらせました。
普通の人でも使える仕事術ですが、レポートを必要とする人のニーズを把握しておけば、完璧な仕事をしなくても、8割ぐらいで合格点がもらえます。
あまり生産性が高いとは言えませんが、時間はかかっても確実に終わらせられます。
もしくは、自分よりも得意な人に代わってもらうのが、生産性の高い方法です。
1対1で会話するのはまだ理解できる
少人数で会話している時はほとんど問題がありません。内容はほぼ理解できますし、メモの内容はほとんど問題ありません。
ワーキングメモリが関係しているのかも。
たとえ、聞き取れなくてもすぐに聞き返せば大丈夫ですし、大勢のときより安心感があります。
コールセンター業務は、1対1での対応ですので適性がありました。(慣れるとどうしようもなく退屈ですが)
文書化されている情報は理解しやすい
会議のような長い会話は正しく理解できませんが、文書化されている情報は理解できます。
新聞、雑誌、書籍、論文などは、読んで理解ができますし、新しいワードが出てきても、すぐネットで調べて意味を理解するのは苦ではありません。
ブログが好きな理由も、自分の思考を文字化して理解できるからです。
ただし、筆者が何を言いたいのか分からない冗長な文章は苦手だと理解しています。
治療薬で多少改善するが完全ではない
ADHDの治療薬、ストラテラ(アトモキセチン)や、コンサータなどによって、脳内のノイズは低減されて静寂になります。
私の場合は集中力は高まりましたが、リスニング能力はあまり変わりませんでした。
そのことについて、悲観はしていませんが不便だなと感じます。
将来的にSiriで文字起こしされた情報が、Google Glassのようなウェアラブル端末を通して、視覚的に理解できると、私のようなADHDの人でも会話が楽にできそうです。
まだ、病院にも行っていない人は、すぐにADHDに定評のある心療内科に行って、すぐに診断して治療薬をもらったほうが良いでしょう。
最後までお読み頂きありがとうございます!
次回もお楽しみに!

OLYMPUS ICレコーダー VoiceTrek 4GB MicroSD対応 DM-720 シルバー DM-720 SLV
- 出版社/メーカー: オリンパス
- 発売日: 2016/01/22
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る

ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本
- 作者: 對馬陽一郎
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2017/05/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る