こんにちは、ピコシムです。
ここ数日外国人旅行者に3回駅の中で道案内をしました。
道に迷う旅行者は多く、仕方がないのですが、もっと分かりやすい案内表示にしたらいいのに!と思わずはいられませんでした。
ケース1 新宿駅への行き方
聞かれた場所:東京駅京葉線ホーム地下4F
旅行者:韓国人の30代の父親と3歳の娘
行き先:新大久保駅
東京駅から中央線で新宿経由して山手線に乗り換えるか、山手線で内回り電車に乗って新大久保駅に行けば楽勝じゃん!と思ってはいけません。
京葉線ホームは、有楽町駅と東京駅の中間。大人の足でも乗り換えには13分はかかります。
しかも3歳の子供連れでベビーカーと、ミッキーの大きな風船付き。
思いついたのは、オレンジのラインが新宿に行く電車だよ!と英語で言おうと思ったら、オレンジは宇都宮線、高崎線、東海道線もオレンジだと思い出す。
東京メトロ有楽町線もオレンジ!銀座線もオレンジ!!
しかも、Chuo lineの字が小さすぎて分からない・・・
当然「Shinjuku →」って案内板は当然無い。
なんとか、東京駅の新幹線乗り場に着いても、1,2番線のある中央線は一番端でとっても遠い。
せっかくなので、一緒に付いて案内しました。
すると、17個の路線の案内表示板はありましたが、新宿に行くためにどの路線に乗ればいいか知識が無いと全く役に立ちません。何と不親切なのでしょう。
やっと見つけたShinjukuと書いてある駅の案内板表示。京葉線から17個目の最後の案内板。1、2番線ホームへ登るエスカレーターの手前たった1箇所。
サインを作成したデザイナーは、海外に行ったこと無い日本人なんじゃないかな。
初めて日本に来た外国人観光客は分かんないよね。
新大久保の駅は、階段のみでエスカレーターもエレベーターもないから、子連れでベビーカーを片手に大変でした。早くバリアフリー化して欲しいですね。
ケース2 六本木駅まではいくらですか?
聞かれた場所:京王線新線新宿駅改札前
旅行者:中東系の30代男性
行き先:六本木駅
Suicaをチャージしようと思ったら、ずっと料金表を見ている男性がいます。右に見える黒いリュックの赤シャツの男性です。
Excuse me, What's the fare for Roppongi Station?(六本木駅まではいくらですか?)
ふと上を見上げると、
これは分からない。しかも、最初は京王線の切符を買おうとしていたので、都営線の券売機に移動。
案内板の全ての駅が同じ文字の大きさのため、外国人観光客が行く主要な駅が分からない。
しかも、ローマ字表記の文字サイズが小さすぎて全くわからない。
これは、ウォーリーを探せ並にRoppongi駅は見つからない。
やっと見つけて、You have to push the button 220yen.と言うと
どっちに行けばいいの?
なぜか大江戸線の入口が2つあるのに、英語では書いていないから分からない。
どちらの改札からもご利用になれますって英語でも併記をお願いします!
ケース3、駅の警備員に適当に案内されて困っている中国の大学生
何やら、東京駅の京葉ストリートで警備員に訪ねています。
I'd like to buy Suica. Where is the ticket shop?
(Suicaを買いたいのですが、どこにチケット売場がありますか?)
2人の警備員は英語を理解していないようです。なぜか警備員はJR路線図を広げています。
Suicaを買いたいのに、一体どこの駅に行かせるつもりなのでしょう。
結局、警備員は英語の質問が理解できず、適当に案内を終了してしまいました。中国人大学生は必死に駅の構内図を見ています。
複雑過ぎる東京駅でどこでSuicaを買えばいいか途方に暮れているようです。
可哀想なので、彼らに声をかけてみました。
すると翌日から、東京大学や渋谷、浅草などに行きたいのでSuicaを買いたいということでした。
八重洲南口の改札が徒歩30秒の位置にあったので、Suica購入の券売機までご案内。
無事中国の大学生はSuicaを買うことが出来ました。
重たいスーツケース引きながら駅の中を迷うってホント疲れるよね。
なぜ外国人観光客に乗り換えが分かりにくいのか
- 都内だけで48路線あって、めちゃくちゃ複雑(JR、東京メトロ、都営地下鉄、大手私鉄7社など)
- 主要な駅への行き先表示が殆ど無い(Tokyo,Shinjuku,Ikebukuro,Asakusaなど)
- 英語表記のフォント小さすぎて分からない(視力検査並の小ささ)
- 行き先や運賃を知るには、どの会社のどの路線に乗るべきか把握しなければならない
(路線と沿線の駅の知識があることが大前提:鉄道マニアじゃあるまいし無理でしょ) - 駅員、警備員の英語力が無さすぎ(せめてGoogle翻訳を使ってみては?)
東京駅や新宿駅は日本人でも迷うので、当然外国人旅行者だと迷います。
どうすればいいか
- 主要な行き先の看板をつける(Tokyo,Shinjuku,Shibuya,Asakusaなど)
- 英語、中国語、朝鮮語など併記
- 看板の外国語のフォントを大きくする
- 迷って滞留しいやすい動線に看板を設置する
例えばディズニーランドに行くなら、このぐらいの大きな表示は欲しい。
ミッキーのシルエットで世界中の人に理解してもらえます。
京葉線のりばの右の下から2番目に書いてあるディズニーランドの英語表記は文字が小さすぎるので、視力が2.0ないと見えません。
次に、京葉線B4から主要駅に行く方法。
ほとんどの外国人観光客は、ディズニーランドから山手線沿線のホテルに帰ります。新宿や池袋、品川などです。京葉線ホームの階段に大きく張り紙を貼っておきましょう。とにかく京葉線B4ホームからまずは、エスカレーターでB1まで上がってもらいましょう。
エスカレーターで京葉線B1まで登ってきたら、主要駅の行き先がはっきり分かる行き先幕を張っておきましょう。
京葉線から東京駅在来線ホームまでの連絡通路にも、分かりやすい行き先表示を掲示しておきましょう。
各路線には、主要な行き先を遠くからでも認識できるぐらいローマ字表記しておきましょう。空港の出発ロビーのように英語表記しておきましょう。
中央線のコンコース上には、←To Shinjukuとはっきり掲示しておきましょう。
私たち日本人は、中央線が新宿駅に行くことぐらい知っていますが、この表記があるだけで、多くの外国人観光客の不安が解消できます。河口湖行きも、豊田行きも、八王子行きも、青梅行きも、武蔵小金井行きも全部新宿を通るのですから。
案内表示を変えると誰が得をするか
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外国人旅行者が目的地に早く到着できる
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駅員・ホームの車掌の道案内業務が減る
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交番勤務の警察官の道案内業務が減る
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道を聞かれる日本人が少なくなる
ただでさえ、複雑な東京の鉄道路線は日本人でさえ迷います。しかも、東京駅や新宿駅は世界でも有数の混雑駅です。慣れない外国人観光客はそのカオスな駅を通過するだけで大きな負担です。
せめて、案内板ぐらいは外国人観光客に人目で分かるようにした方が、観光立国を目指す我が国には絶対必要です。
揺れますからご注意下さいよりも、重要な乗り換えアナウンス
中央線で四ツ谷駅から新宿駅に近づくと、「急停車する場合がありますので手すりに捕まって下さい」や「電車は揺れますのでご注意下さい」「優先席は席をお譲り下さい」などアナウンスが、日本語と英語であります。
確かに、ポイントを通過するので多少揺れますし、優先席は譲った方がいい。でも、電車が揺れるって当たり前だし、そんなことを長々とアナウンスより、乗り換えの案内を4ヶ国語で伝えるほうが大事じゃないのかな?
渋谷や池袋に行くために山手線に乗り換えるためには、何番線に行けばいいのか分からないと、外国人旅行客は一旦ホームに滞留します。しかもYamanote Lineは渋谷に行くか、池袋に行くかによって乗り換えホームが違います。
山手線の内回り、外回りの表現は日本語独特ですので、
Clockwise rotation 顺时针方向(時計回り)
Counterclockwise 逆时针方向(反時計回り)
で、表現すると山手線の行き先が分かりやすくなります。
JRやメトロは外国人の専任スタッフを雇ってみては?
日本人が日本人のための駅の案内板を作ったので、どうしても外国語表記が弱いです。出口の黄色の看板については4ヶ国語表記になっていますが、電車の乗換は路線名しか書かれていません。
そこで、日本語ができない外国人(中国人、韓国人、アメリカ人)を雇って、駅の案内表示、アナウンスを改善するのはどうかな?
ある程度乗り換えアプリの普及で、トラベラーSIMを挿して使っている外国人旅行客はスマホから情報を取得できますが、そうでない旅行者は大変です。
また、駅のアナウンスも基本的に日本語でしか放送されません。
突然の運転見合わせや、代替輸送、運転再開の見込みは多言語でアナウンスされないと旅行者は不便です。
JRの場合グリーンスタッフという契約社員が、駅改札やみどりの窓口の業務を担っていますが、彼らは3年契約で使い捨てにされており頻繁にスタッフが入れ替わります。
当然英語や中国語、韓国語など業務で必要になりますが、そこまでスキルアップする機会がないか、業務になれた頃には退職せざるを得ません。
東京の国際競争力を高めよう
今までは、日本人が日本人のための駅の案内板を作って、日本人の駅員が日本人相手に日本語で話すだけでよかったのです。
しかし、2020年に東京オリンピックを控えて、インバウンド需要も高まり、より一層国際競争力を高める必要が出てきました。
特に鉄道をはじめとする公共交通は、誰もが利用します。
英語、中国語、韓国語はもちろん、東南アジアの国々や、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、中東など多くの国の人達が、JRやメトロを利用することになるので、早めに対策を取って欲しいですね。
それ、僕が図解します。さんが、新宿に新しく出来たバスターミナル「バスタ新宿」のインバウンド対応の問題点について書いています。個人的には、甲州街道側の建物の壁面には、バスタ新宿のカタカナ看板より、Shinjuku Bus Terminalのようなシンプルな表記が欲しいかな。
バスタ新宿に隣接する商業ビルのNEW WOMANが、電飾入りの大きな看板なので、外国人には良くわからない建物だよね。
今後読んでみたい本、日本の駅のデザインについて
最後までお読み頂きありがとうございました!
次回もお楽しみに!
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