こんにちは、ピコシムです。
前回は、人工知能によって2030年までに2935万人が失業するかも、という話まででした。
今回は、日本の奴隷状態の29万人とILO(国際労働機関)からの日本の労働環境是正勧告について取り上げます。
日本では2016年現在29万人が奴隷状態
日本では奴隷など存在しないことになっていますが、国際社会ではそうは見ていません。日本は国連やILO(国際労働機関)から度々勧告を受けています。
主に、性産業女性労働者が、先進国で問題になっています。また、外国人の農場労働者問題があります。
現代の奴隷制 国際社会から非難される外国人技能実習制度
日本では29万人の奴隷がいると報告されています。なかでも外国人技能実習制度などの、制度悪用によって農場などで強制労働させられている事例もあります。
給料の未払い、サービス残業、パスポートを取り上げて移動ができなくする、劣悪な農場や工場で働かせて、5800人が失踪するなど、国際社会やILO(国際労働機関)NGO団体から強い非難を受けています。
外国人技能実習制度は奴隷労働制度です。直ぐに仕事を辞めて離れることができません。
日本移住労働者、外国人労働者をサポートするNGO組織、鳥居一平ディレクターは、「これは人身売買、強制労働のシステムだ」と指摘した。“This trainee program is a system of slave labor. You cannot just quit and leave. It’s a system of human trafficking, forced labor,” said Ippei Torii, director of Solidarity Network With Migrants Japan, a nongovernmental group that supports foreign workers.
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経営者側の高い規範意識、遵法意識の必要性と、違法行為に対して確実に処罰される仕組みがなければ、いつでも奴隷状態の労働者が生み出され続けることを、私たちは知っておく必要があります。
労働者の人権と労働関連の国際条約を批准していない問題
労働者の人権と聞いて、何を大げさなと思うかもしれません。しかし、強制労働や差別待遇は労働者の人権侵害とみるのが国際的な常識となっています。
では、なぜこれらの問題や、長時間労働、サービス残業など、日本の労働環境が悪いのか。
国連では、日本の労働者人権条約の批准を度々勧奨し、長時間労働の削減を勧告していますが、国は批准に消極的です。
では、ではどういった条約が批准されていないのでしょうか。
また、国連から何を言われているのでしょうか。
国連が勧奨する労働者人権条約
委員会は、締約国(日本)が、ILO105号条約、111号条約、及び169号条約を批准することを勧奨する。強制労働廃止条約(第105号)
差別待遇(雇用及び職業)条約(第111号)
原住民及び種族民条約(第169号)
日本では、労働者人権をあまり問題視していません。
強制労働や差別的待遇は、日本では当たり前で、個人より企業の利益が最も重要視さるような社会システムになっています。
日本の長時間労働削減に対して講ずる国連勧告
委員会は、締約国が、公的部門及び私的部門の双方において、労働時間を削減するために必要な立法上及び行政上の措置をとることを勧告する。
日本は労働時間が長時間化しており、労働時間削減の法律の制定や行政が企業、団体に労働時間の監視、是正指導、罰則規定をつけて、実効性のある措置をとるように国連勧告を受けました。
45歳以上の労働者の雇用と給与水準の安定化に対する国連勧告
委員会は、締約国に対し、45歳をこえる労働者が元の給与水準及び雇用の安定を維持することを確保するための措置をとることを勧告する。
この勧告が出た背景には2000年代初頭の、中高年のリストラが社会問題になり、非正規労働者化し低賃金労働者にならざるを得なくなったことが原因。
公務員のストライキ権の保障に対する国連勧告
委員会は、締約国が、ILOに従って、不可欠な業務に従事していない公務員のストライキを行う権利を保障することを勧告する
日本では公務員のストライキは認められていません。
海外では、公務員のストライキを認められています。
有給休暇に対するILO条約未批准
日本政府は有給休暇条約を締結すると、労働法の改正が必要なため、国民に有給休暇を積極的に取得しないことを望んでいるようです。
だって、労働者に有給休暇取得されたら、働かず、休んで遊んでいるのに給料を支払わなければいけない。それは、企業の利益を減らしちゃうでしょ!そんなの嫌!と思っている強い勢力があります。
日本は人権意識や適正な労働意識がOECD加盟国に比べ希薄なことが特徴です。
日本は国際労働機関(ILO)の8つの基本労働条約のうち、
「強制労働の廃止」(105号) と
「雇用と職業における差別待遇の禁止」(111号)の2条約を批准しておらず、人権問題に対しては必ずしも積極的な立場にはない
21世紀になり、世界では表立った奴隷制度は無くなりました。
ただし、奴隷状態は世界で4600万人いると推定されています。
日本では、労働と人権は軽視されてる傾向があるため、いくつかの労働問題が、国民の知らぬ間に国際問題に発展していることを、留意する必要があります。
おわりに
20世紀は、格差を無くし労働者は皆平等であるべき、という共産主義スターリンの思想が広まりました。
結果、東側諸国を中心に社会的実験をして大失敗をしました。
一方で、資本主義が台頭し、奴隷制は表面上無くなり、経営者(資本家)と労働者の関係に変化しましたが、社会格差は拡大を続けています。
労働者の中でも、正規雇用と非正規雇用に分けることで、労働者の同士で相互監視させたり、いがみ合せて団結させない手法は、文中の古代ローマ時代にも登場します。
現代の私たちは、過去に学び人間が人間らしく生きるために、2000年前の古代ローマ人から学び、より進歩した文明を築いていくことが重要です。
社会が変わるのを待つより、あなたや私が賢く強かに生きていくために本書を参考にすることは、人生の助けになります。
本書は、労働の本質を理解でき、古代ローマの労働の歴史と、奴隷と主人の関係を現在の労働環境や人間関係を対比して、そこから学ぶ上で『奴隷のしつけ方』は良書です。
今働いている方、これから働き始める学生の方、子どもに労働とは何かを伝えたい保護者の方、従業員をマネジメントしたい経営者の方は、ぜひ、キンドルや単行本で家族で読んで欲しいオススメの1冊です。
追記:8月31日に更新しました。
最後までお読み頂きありがとうございます!
次回もお楽しみに!
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