ピコシムのブログ

社会の出来事を「なぜ?だから何なの?」の視点で探ります

もし携帯料金の2年間の総額表示が義務付けられたら

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こんにちは、ピコシムです。

PCデポで高齢者に余計なオプションをたくさんつけて、20万円請求された話が話題になっています。

家電・通信業界では、多かれ少なかれそのような危ない商法は沢山あっていつも問題になります。

 

例えば、スマートフォンを購入する時はどうでしょうか。

よく、携帯ショップではこんな料金表示になっています。

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(この画像はご自由にお使い下さい 出典の明示は任意です)

 

要点を抜き出すと、いまは、だいたいこんな感じです。

何も知らないと、月々1000円でiphone6sが使えるんだ!安い!と感じます。

ところが、世の中そんな甘いはずがありません。

 

図解すると、f:id:picsim:20160824063315p:plain

(この画像はご自由にお使い下さい 出典の明示は任意です)

 

もともと96,000円の機種を24回ローンを組んで、

指定の料金プラン(2年契約+パケットプラン)に申し込んで、毎月3,000円の割引が受けられたとき、

毎月の機種代金が1,000円になるということです。

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(この画像はご自由にお使い下さい 出典の明示は任意です)

 

 

これが、毎月『実質1000円』のカラクリです。ところが、これは料金のほんの一部分にしかすぎません。

 毎月の通話料や通信料が入っていません。

 

料金は大手3社(ドコモ、au、ソフトバンク)は横並びのプランです。

2700円(通話定額)

300円(ISP料金)

5000円(パケットプラン)

750円(オプション ケータイ保障料)

1000円(機種代)

=9750円

+消費税 で10,530円(税込)です。

(プランや利用年数、家族割、学割、その他セット割などによって変わりますが基本的にはこの料金です)

単純化して

1ヶ月の通信費は10,000円としましょう。

2年契約ですので240,000円の通信費が発生します。

料金の内訳を図解すると、下のようになっています。

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(この画像はご自由にお使い下さい 出典の明示は任意です)

 

機種代金の割引は、一番最後の請求の総額が出た後に割引される仕組みになっています。

この2つを既に理解しているかどうかで、店員からカモにされるかどうか雲泥の差がでます。

 

携帯料金に詳しい人なら、

  • 毎月の総額料金っていくらかかるの?
  • 契約の時に必要のないオプションに何個加入しないといけない?
  • 契約時に支払いする頭金の料金は?
  • 毎月の割引はどのくらい入るの?
  • 途中で解約したらどのくらい料金が発生するの?

など、通信料金のリテラシーが高い消費者なら分かります。

ところが、こういう知識がない人たちが大勢いますので、速攻でカモにされます。

これは、携帯電話料金の他にも民間の生命保険・健康保険料、住宅ローン、税金、年金、社会保険料なども同じで、社会の仕組みがそうなってるので、個人の力ではどうにもなりません。

これらは、最初っから月々の料金を伝えるだけで、支払いの総額については言及されません。

 

消費者が契約を判断する上で必要な情報や、不利になりそうな契約条件は、スタッフに自分から質問しないと分かりません。

例えば下の図、

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(この画像はご自由にお使い下さい 出典の明示は任意です)

 

これを見ると、一瞬自分の料金が安くなるかなと思います。

ところが、最近の割引内容は相当ブラックボックス化しています。パンフレットにも記載されていないので、割引内容の条件を理解しないまま契約するとえらい目にあいます。

しかも、販売成績が良い店員に運悪く聞いてしまったら、会話の主導権を握られて、言いくるめられて、自分に不利な条件で契約させられるのがオチです。

携帯電話やスマートフォンを契約する時は、必ず詳しい人と複数で来店しないといけません。

PCデポだけだと思っていたら、痛い目にあいます。

例えばスマートフォンを契約した時に、店員から法外な料金で割賦契約させられるSDカードなどがそうです。ツイッターで「SDカード 分割」で検索すると沢山の被害者がでてきます。

 

うちの母親なら、確実に騙されそうです。

ホームセンターに行けば8G1000円で買えるSDカードを6000円で買ったりしてたら嫌ですね。

 

こんなことばっかりしていると、将来的に総務省や消費者庁からの締め付けが厳しくなってくることでしょう。

 

では、

もしスマホ料金の2年間の総額表示が義務付けられたら、どうなるでしょうか。

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(この画像はご自由にお使い下さい 出典の明示は任意です)

 

もし家族4人で全員が携帯を買いに来たら、100万以上の買い物をわずか1時間ですることになります。契約期間が決まっているので、実質はローンで毎月分割して料金を支払うのと変わりません。

さぞ、お父さんもお母さんも、子どもにスマートフォンを買い与えるのをためらうでしょう。

 

ただ、これには肝心な注意書きが抜けています。

 PCデポでも問題になった解約金と、スマホの機種代の残債を合わせて注意書きを入れるとこうなります。f:id:picsim:20160824044401p:plain

(この画像はご自由にお使い下さい 出典の明示は任意です)

たばこの注意書きみたいになりましたね。

 

例えば三ヶ月目で解約した場合の計算は、

解約金       10,260円

機種の残債 88,000円 4000*22ヶ月

毎月利用料 7800円  目安 機種代除く

合計       106,060円

キャリアや利用状況によって変わります

 

こんなA4サイズの価格表なら、即決して購入する人はいなくなるでしょう。

街なかの携帯電話ショップは、ますます淘汰されて次々と閉店するに違いありません。

やる気のある中央省庁の担当課長さんが、通達を出したらすぐにでも出来そうですが。

もし、PCデポの被害者のように、自分の親がスマートフォンを購入した1ヶ月目に老人ホームに入居して3ヶ月目で解約しようとしたら、機種代の割賦と解約金含めて10万円以上請求がくることは十分考えられます。

 この先どんどん人口が減少して、売上が毎年減少していく社会なので、店舗側も自分たちが生き残るために超必死です。だから、多少危ない橋を渡ってでも利益を上げないと待っているのは、リストラ、倒産です。

業界全体が健全化するのを待つか、モラルハザードを起こした店がつぶれるか、どちらにしても、まだまだ知識のない消費者が被害に遭い続ける時代は続きそうです。

 

こういった社会問題は、知識化してシェアするといいかも

 

(追記16/8/25)

通信業界にめちゃくちゃ憤りを感じている人は、業界について調べてみてください。 

通信業界の裏側が分かる2016

通信業界の裏側が分かる2016

 

もし、既に被害に遭われた方は消費者庁にご連絡を。 

被害にあったら|消費者庁

 

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最後までお読み頂きありがとうございます!

次回もお楽しみに!

 

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