こんにちは、ピコシムです。
私は今年の春にADHD(注意欠陥多動性障害)という脳の機能障害と診断されてました。ストラテラという脳を覚醒させる薬を飲むと、前頭葉の血流量が増加して、やる気の脳内物質ノルアドレナリンが正常に放出されて、每日とても元気なときが多いです。
覚醒する薬ってなんか危なそう
ストラテラ(アトモキセチン)は、ADHDの人の脳の働きを覚醒させる薬です。なんか危ない話しですね。なんと言っても脳が『覚醒』するんですから。
ストラテラ(アトモキセチン)やメチルフェニデート(覚醒剤)は、ADHDの人の脳の機能性障害を、薬によって改善する働きを持ちます。
覚醒の持つイメージは、「覚醒剤」でしょう。毎年芸能人が沢山逮捕されていますし、闇社会の資金源となっています。
厚生労働省の長年のキャンペーンによって、違法な薬物の乱用は『悪』と教育されてきました。
一方で、病院で正しく薬を処方されて、正しく服用できれば、ADHDの人に見られる、不注意・多動性・衝動性を抑えることが出来ます。
普通の人が脳を覚醒させるには
普通の人が、合法的な薬物の代表格、
コーヒーやお茶に含まれる「カフェイン」
出典:wikipediaCommons
カフェインは個体の状態では白い粉です。
出典:wikipediaCommons
お酒に含まれる「アルコール」
出典:wikipediaCommons
タバコに含まれる「ニコチン」
出典:wikipediaCommons
これらや薬理作用によって脳を覚醒させます。
栄養ドリンクにもカフェインが含まれているので、脳を覚醒させる効果がありあす。
でも、これらは依存性があるため摂取し過ぎると危険です。
もし今も覚醒剤が禁止されていなかったら
国や企業、経営者は利益を上げるために、従業員に覚醒剤服用させて仕事の効率を上げさせたでしょう。栄養ドリンクと同様に、覚醒剤が薬局やコンビニで買えるようになっていたかもしれません。
メディアの論調も、
労働生産性が低いのは、脳が活性化していないせいだ!
『覚醒剤を飲んで一億総活躍!』
『覚醒剤を飲んで決算期まで頑張ろう!』
『覚醒剤を飲んで受験に合格しよう!』
などと、恐ろしいことになっていたでしょう。
もちろん中毒症状がでても、個人的な精神疾患として見過ごされて、労働者は使い捨てにされて、今よりも荒廃した社会になっていたかもしれません。
実際に、第二次世界大戦中の日本とドイツでは覚醒剤(アンフェタミンやメタンフェタミン)が、軍で使われていました。
覚醒剤には二種類あって、日本ではアンフェタミン、ドイツではより覚醒効果が高いメタンフェタミンという覚醒剤が利用されました。
戦争が終わった後、軍事物資が民間に払い下げられたのと同時に、覚醒剤が民間に流通しました。
日本ではヒロポン錠として普通に薬局で購入できたわけですから驚きです。
サザエさんの作者 長谷川町子はヒロポン錠を題材にマンガを書いています。
1960年(昭和25年)に覚醒剤が薬事法で劇薬に指定され、1961年(昭和26年)に覚せい剤取締法で禁止されたお陰で、健康で平和的に暮らすことが出来ています。
もし、法律が施行されても取締が積極的に行われていなかったら、フィリピンのように薬物中毒や犯罪が社会的に大問題になっていたでしょう。
薬物乱用防止の啓蒙活動の成果
出典:厚生労働省薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ
日本では、薬で精神を安定させることや、薬で脳の働きを変えてしまうことに対して、強い嫌悪感情を持つ人が大勢います。
これは厚生労働省のキャンペーンが大成功して、警察、学校、製薬会社で薬物乱用を防止する長年の取り組みの成果といえるでしょう。
一方で、薬に対してネガティブなイメージを持っているために、敢えて薬に頼らない行動療法を試している人たちもいます。
薬には副作用もあるため、ネット上では薬の作用より副作用の症状について多くの記述があります。しかし、先入観から薬の処方を拒んだり、診療をしないまま苦しんでいる人も多くいるようです。
医師に処方された薬は適切に使うと効果があります
ADHDにはストラテラ(アトモキセチン)の他に、覚醒剤(メチルフェニデート)が処方されています。
メチルフェニデートの塩酸塩にあたる塩酸メチルフェニデートは、注意欠陥多動性障害 (ADHD) やナルコレプシーに対して処方される。しかし作用機序がメタンフェタミンと類似しているものの、他の覚醒剤や麻薬と比較して規制が緩いため乱用目的で入手・使用する者もいる。
かつて、リタリンという名前で処方されていましたが、一部の違法行為を働いた人たちのせいで、現在は製造が中止されています。一時は多くのADHD(注意欠陥多動性障害)の人々が、薬の処方が中止されて問題になりました。
非常に残念ですが、ネット社会ですから医療制度を悪用しようと思えば、いくらでも抜け道を利用する人が出てきても不思議ではありません。
現在は、メチルフェニデートの徐放剤(効き目が緩やかな薬)の、コンサータが処方されています。
急激に効果がある薬は、体にとって負担です。特に薬の代謝によって、肝臓に負担がかかります。
非中枢刺激薬のストラテラという薬は依存性が少ない
ADHDに処方される、ストラテラという薬は、ヒロポン錠よりもだいぶ後の時代に開発されました。
依存性が少ないと研究結果があります。
なぜなら中枢神経を直接刺激できない仕組みで、中枢神経の神経伝達物質のドーパミンを放出させることができないからです。
ストラテラはノルアドレナリン再取り込み阻害剤と言われていて、放出が過少状態のノルアドレナリンを、正常に放出する働きがあります。
ですので、当然依存性はありません。私の実感で言うと、ストラテラを飲み忘れるくらい依存性がありません。仕事をしていなければボーっとしているだけで、あまり問題はないような気がします。
ストラテラの効果
ストラテラの効果ですが、覚醒すると前頭葉の部分(額の部分)がスースーします。ADHDの人の不注意なミスが減りストレスが減ります。
拡散していた意識や思考が落ち着いて不安が減ります。
一方で、多幸感や快楽のような感覚はありません(初回の服用時は多幸感はありましたが、2回目からはなくなりました)。
ただし、薬によって肝臓への負担がありますので、定期的に血液検査が必要になります。
さいごに
もちろん健康な人が急激に覚醒する薬を製造、所持、使用すると、警察に捕まります。なぜなら「覚醒剤」と呼ばれているからです。
同時に薬物の乱用は、中毒者を増加させるだけでなく、医療費の増加や犯罪の発生による社会コストを増大させて割に遭いません。
健康的に脳を覚醒させて、人々のパフォーマンスを上げるには、十分な休息と睡眠、時間を決めた労働など、法整備と運用をして、働きやすい環境を構築するほうが健全でしょう。
最後までお読み頂きありがとうございます!
次回もお楽しみに!