こんにちは、ピコシムです。
不都合な事実は、わざと伝えないようにするのは常套手段です。
難解な言葉で理解不能にさせたり、相手の思い込みによって事実誤認させることは、とっても簡単です。
ピコシムのブログでは過去に、
なぜ、携帯電話料金は複雑なのかその理由を探り、
コンビニが最高益を上げた裏には、どのように消費者に気づかれずこっそり値上げしたか紹介してきました。
今回は、『メディアがニュースを分かりにくく複雑に伝えている時は要注意』という話です。
例えば、
福島第一原発『メルトダウン』
2011年の東日本大震災の時、福島第一原子力発電所がメルトダウンしました。
このとき、「炉心溶融」という聞き慣れない言葉で伝えました。「メルトダウン」なら一発で危ないと分かりますが、何が起きたか多くの国民は正しく伝わりませんでした。
言葉の定義が曖昧だと、楽観的な方を思い浮かべます。
原子炉の建屋が爆発した時も、
『何らかの爆発的事象が発生しました』
『2号機で水素爆発が起きました』と報道されました。
誰がどう見ても、原子力発電所が3つも爆発して大ピンチなのに、爆発的事象という言葉を使うことで、どのくらい深刻な事態なのか判断ができないようにしました。
また、『水素爆発』がどの程度危険なものなのか何も報じられませんでした。報道規制が敷かれたためです。
『防衛装備移転三原則』
日本では1967年から企業が武器を輸出することは原則禁止されていました。
これは『武器輸出三原則』が適用されていました。
- 三原則対象地域については「武器」の輸出を認めない。
- 三原則対象地域以外の地域については憲法及び外国為替及び外国貿易管理法の精神にのっとり、「武器」の輸出を慎むものとする。
- 武器製造関連設備の輸出については、「武器」に準じて取り扱うものとする。
としていましたが、2014年『防衛装備移転三原則』が適用になりました。
『防衛装備品移転三原則』とは従来の言葉に直すと『武器輸出三原則』です。
武器輸出を許可するという内容です。
カタカナ用語が出てきた時も危ないです。みんな英語の定義を知っているとは限りません。
『ホワイトカラーエグゼンプション』
エグゼンプションとは、労働時間規制適用免除制度のことです。
ホワイトカラー労働者(主に事務に従事する人々を指す職種・労働層)に対する労働法上の規制を緩和・適用免除すること、またはその制度である。
各国の労働法制において、労働時間の規制がなされていることを前提としてその規制の適用を免除し、または例外を認めることで、労働時間の規制を緩和することをいう。
これについては、新聞各社が残業代ゼロ法案とネーミングしたので多くの国民は何なのか知ることができました。
- 労働基準法上の管理監督者
- 企画業務型裁量労働制
- 専門業務型裁量労働制
は、現在でも残業代が出ない対象となっています。
今回新たに追加されるのが、
- 特定高度専門業務・成果型労働制
- 高度プロフェッショナル制度
です。
もし、分かりやすく表記したら一瞬でバレてしまいます。
- 残業代無支給型・労働基準法上の管理監督者
- 残業代無支給型・企画業務型裁量労働制
- 残業代無支給型・専門業務型労働裁量制
- 残業代無支給型・特定高度専門業務・成果型労働制
- 残業代無支給型・高度プロフェッショナル制度
だったら、さぞ国民は大反対だったでしょう。
★★★★
なぜワザと分かりにくい名前になるのか
新しい法律、ニュースの難解な用語、原発事故。これらは、なぜ難しい言葉で言われるのでしょうか。誰にでも分かりやすく伝えたらとても楽なのに。
これに対して、明確な答えがあります。
それは人々を法律に縛り付け、支配しやすくするためです。
「法律がよく分からない」という状態にすることで、
漠然とした「不安、恐れ、抑止」を生み出します。これ、支配するテクニックですね。
無知、不安、恐怖、貪欲は、支配するための常套手段です。
これって、現代の奴隷の定義と重複する点があります。
奴隷と労働 2千年前と変わない人間の本質でも取り上げたとおり、
現代の奴隷の定義は、
[1]自分の労働対価を得られず、経済搾取を受けている。
[2]搾取状態に陥る際、暴力・威嚇・恐怖によって囚われている。
となっています。
無知でいると、不安と恐怖で頭の中が支配されます。
誰が支配しているのか。
ルールを作る側の人たちが、貪欲なまでに搾取しようとするために仕組んでいる方法です。これは携帯電話料金制度然り、年金制度、社会保障制度、生命保険、民間医療保険制度、住宅ローン、銀行の複利
私の好きな、三田紀房の『ドラゴン桜』でもコミックの1巻目でこんなシーンがあります。
ゼッタイ勉強したくなる!! 「ドラゴン桜」の心動かされる名言: そこにマンガがあるからだ!〜漫画名作・名言・名場面紹介blog〜
話は続きます。
逆に都合の悪いところは分からないようにうまく隠してある。
だがルールに従う者の中でも「賢い奴」は、そのルールをうまく利用する。
例えば税金・・・年金、医療保険、給与システム・・・みんな頭の良い奴がわざと分かりにくくして、ロクに調べもしない頭の悪い奴から多く取ろうという仕組みにしている。
つまりお前らみたいに頭使わずに面倒くさがっている奴らは、一生騙されて高い金払わされ続ける!
賢い奴は、騙されずに得して勝つ。バカは騙されて 損して負け続ける。これが今の世の中の仕組みだ!!
だからお前ら、、騙されたくなかったら、損して負けたくなかったら、お前ら勉強しろ!!
原典 ドラゴン桜1巻
大学生の時に、構内の売店で偶然モーニングを立ち読みした時は、単純明快なセリフに、なぜ勉強するかを初めて知りました。
これらは、絶対小中高の学校で教えてくれません。少なくとも大学生までは教えてくれる先生は誰もいませんでした。
それもそのはず、みんなが賢くなったら世の中が回らないからです。(もしかすると先生も知らなかった?)
元バンカーだった知人が、銀行員時代に行政文章をもっと分かりやすくする方法を官公庁に提案したら、
分かりやすくしてはダメだ!と言われたそうです。
なぜかというと、分かりにくいほうが仕事が増えて、申請書類を作る行政書士、コンサルタントが必要になるからということでした。
もし、みんながスマホの格安SIMを使って月1000円の料金しか支払わなかったら、現在の月1万円払ってもらう携帯電話ビジネスモデルは崩壊します。
健康保険は、健康な人が加入して毎月お金を支払ってくれることで成り立ちます。
宝くじは、国や自治体以外がやると違法行為だという制度にして、貧乏な人からどうやってお金を集めるか考えた仕組みです。
このような事実は、私が大学院生になって、ルールを作る側の勉強をしたときに初めて知ることになりました。
例えば、社会学で用いられるJGSS(日本版総合的社会調査)は、人々が属性によってどのように行動するかが統計データとして分析されていますが、一般に公開されません(もしくは分かりにくいところにあります)。
大学図書館の片隅に置いてあって、分析結果は論文になっていますが難しいです。
宝くじの例では、低所得層の人は高所得層の人よりが宝くじを何10%多く購入している等の統計データなどが書いています。
ルールを作る側の人はこのようなデータをもとにして、ビジネスモデルを作り上げていきます。課金型ソーシャルゲームも同じです。
話題になっている、築地市場に見られる土壌汚染問題も、環境影響評価という考え方が無いと、どう判断していいかよくわからない。
テレビや新聞の記者はこれについて全く触れていません(おそらく知らないか、知っててもあえて言わないか)
土壌汚染があって生鮮食品を扱うには危険です。と言われていますが、
- 何がどの程度毒性があるの?、健康被害があるの?
- 平時は安全だけど、地震で液状化した時は問題あるの?
- 現在どのレベルまで安全になったの?
- 最大級の安全を確保するまでのコストはいくらかかるの?
- 最大級の安全はコストに見合っている投資なのか?
こういう考え方を多くの人が持てば、世の中がもっと楽になります。
ところが、この考え方はルールを作る側、管理する人々、そして保険会社にとって脅威です。
なぜなら、保険商品をはじめ全てのビジネスや国の統治に不都合だからですです。
だから、大学院のごく一部の専門分野の限られた人にしか教育されません。
このような例はたくさんあります。
複雑な携帯電話料金の他にも、
学生時代なら
- 学校への入学金や授業料支払返還問題
- 日本学生支援機構の奨学金(という名の学生ローン)
- いじめられた時の正しい対処法(病院で診断書をもらうとか)
- 就職活動でホワイト企業を見定める方法
社会人なら
- 複雑な税金控除
- 家賃敷金礼金問題
- 住宅ローン
- 自動車ローン
- 教育ローン
- 労働法違反で被害に合った場合
- 精神疾患になった場合の生命保険加入できない問題
- 自己都合退職で退職に追い込まれた場合
- 再就職活動
特に年齢とともに思考力が落ちてくる高齢者は、
- オレオレ詐欺
- 振り込め詐欺
- 住宅リフォーム詐欺
- PCデポのような高額補償サービス
- 携帯ショップの超高額なSDカードローン契約
など、様々なトラブルに巻き込まれやすいです。
さらに、死んだ後も
- 相続税の課税範囲の拡大(or課税回避方法)
- 葬儀屋やお布施の不明瞭会計(or格安で済ます方法)
- 携帯電話の複雑な解約システム
- その他電気、ガス、水道、インターネットの名義人変更手続き
- 生命保険の申請
- 遺品の整理 等など
考えられるだけでとっても大変です。
そこで、行政書士や司法書士、弁護士、社労士、銀行、ファイナンシャルプランナー、といった専門家にお任せすることになります。
が、しかし、当然支払金(フィー)が発生しますので、お金が無ければ行政の無料コーナーを利用することになります。
なぜ?と考えて調べる
現在は、インターネットとスマートフォンがあるので直ぐに調べることが出来ます。
私の場合、疑問に思ったらすぐにネットで調べるタイプに変わりましたが、元々はそうではありませんでした。
調べ方を学んだのは、大学院生になってからでした。研究室の先輩方に徹底的に叩き込まれたお陰で、必要な情報を得るには、どこに行って、何の文献を調べれば良いとか、どこのサイトに行けばデータが得られるか身につけました。
そのデータを分類し、評価し、ストーリーを掴んで解釈する方法を学びました。
ところが、多くの場合、すぐに分からない複雑で難解な文書を読まなければならず、新しい分野の場合めちゃくちゃ大変です。
ですが、調べず分からないままになっていると、大変気分が悪いので全て調べ上げます。
調べ方はネット上に転がっているので、騙されたくない私やあなたは、人生を有利に進めるために、常に「なぜ?」と考えて、自分に不利か有利かを調べて、お金や時間を節約しましょう。
この本はKindle Unlimitedでも読めます
最後までお読み頂きありがとうございます!
次回もお楽しみに!
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